血液製剤について

血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。

関連疾患

自己免疫疾患

スティーブンス・ジョンソン症候群[SJS:Stevens-Johnson Syndrome]と中毒性表皮壊死症[TEN:Toxic Epidermal Necrolysis]

【概要】

スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)と中毒性表皮壊死症(TEN)は、突然の高熱とともに、全身の皮膚と粘膜に発疹と水ぶくれを生じる病気です。発疹や水ぶくれの範囲が少ない場合にSJS、発疹や水ぶくれの範囲が広い場合がTENと呼ばれます。

どちらの疾患も、何らかの薬を服用後に発症することがほとんどであり、重症薬疹として位置づけられてもいます。重症薬疹というのは、命にかかわるほど重篤になる全身の薬疹です。

【症状】

高熱・のどの痛み・全身倦怠感などとともに皮膚や粘膜に病変が出現します。皮膚では全身に大小さまざまな紅斑、水疱、びらんが多発します。水疱はすぐに破れてびらんになります。口唇・口腔粘膜、鼻粘膜には発赤、びらんが出現し、疼痛が生じます。眼では結膜の充血、眼脂(めやに)などが出てきます。尿道や肛門周囲にもびらんが生じて出血をきたすことがあります。進行がはやく症状は急激に拡大します。時に上気道粘膜や消化管粘膜を侵し、呼吸器症状、消化管症状を生じることがあります。なお、SJSとTENは一連の病態と考えられ、TENの症例の多くがSJSの進展型と考えられています。

【図-1:SJS】

【図-1:SJS】


【図-2:TEN】

【図-2:TEN】

【原因】

その多くは薬が原因と考えられていますが、一部のウイルスやマイコプラズマ感染にともない発症することも知られています。発症メカニズムについては、医薬品などにより生じた免疫・アレルギー反応によるものと考えられていますが、さまざまな説が唱えられており、いまだ統一された見解は得られていません。

原因と考えられる薬は抗生物質、解熱消炎鎮痛薬、抗てんかん薬などがあります。

最新の情報につきましては、 医薬品・医療機器等安全性情報のホームページをご参照ください。

http://www1.mhlw.go.jp/kinkyu/iyaku_j/iyaku_j/anzenseijyouhou.html

【治療】

まず病気の原因として疑われる薬はすぐにすべて使用を中止します。皮膚や粘膜の症状に加えて肝臓や腎臓などの様々な臓器にも障害が起こるので、この状態も考慮しながら、副腎皮質ステロイド薬を中心に治療します。短期間に大量の副腎皮質ステロイド薬を点滴で投与する治療(ステロイドパルス療法)が行われることもあります。また、免疫グロブリン製剤を大量に投与することや、血漿を入れ換えるような血漿交換療法を併用して治療することがあります。経過中に細菌感染症や多臓器の障害がしばしば起こるので、採血など頻回に行って治療を進めます。


主な治療法

・副腎皮質ステロイド療法

・ステロイドパルス療法

・免疫グロブリン製剤大量静注療法

・血漿交換療法


免疫グロブリン製剤大量静注療法は2014年7月からこの疾患の治療に用いることができるようになった比較的新しい治療法であり、有用な治療法の一つです。

【予後】

臓器の機能が失われたり、重症な感染症などを併発したりすることがあります。SJSの死亡率は約3-10%ですが、TENでは致死的状態に陥るため死亡率は約20%と報告されています。視力障害、まぶたと眼球結膜の癒着、ドライアイなどの眼の後遺症を残すことがあります。また、閉塞性細気管支炎による呼吸器の障害や外陰部癒着、爪の脱落、変形を残すこともあります。

<杏林大学皮膚科学教室教授 塩原 哲夫先生 監修>

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