用語集

血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。

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クリオ製剤

(AHF:Anti-Hemophilic Factor)

クリオ製剤(クリオプレシピテート製剤)は、血液凝固第Ⅷ因子濃縮製剤が開発される以前、血液凝固第Ⅷ因子欠乏症である血友病Aの患者さんにおける出血時の止血のために用いられていた製剤です。(1972年~1980年代)

血友病Aの治療は、最初は新鮮な血液(全血血液)または新鮮凍結血漿、次にコーンの低温エタノール分画法による画分Iが用いられました。その後新鮮な人 血漿を一度凍結した後、低温でゆるやかに融解したときに生ずる沈殿(クリオプレシピテートと呼ぶ)に第Ⅷ因子が多く含まれていることが発見され、これが用 いられるようになりました

クリオ製剤は、全血液や血漿の輸血に比べると第Ⅷ因子が数倍含まれています。このため軽度の出血には止血効果がありました。しかし、クリオ製剤は次世代 の第Ⅷ因子濃縮製剤に比べると第Ⅷ因子濃度が1/10程度で、不純物も多く、大多数の重篤な出血の治療には不向きでした。クリオ製剤は全血輸血から第Ⅷ因 子濃縮製剤に至る過渡期の製剤です。

現在、市販されているクリオ製剤はありません。

クリオ製剤中には第Ⅷ因子以外にフィブリノゲンが多く含まれており、フィブリノゲン補充を目的に新鮮凍結血漿(FFP)から院内調整されている施設もあります。フィブリノゲン濃縮製剤も市販されていますが、適応症が限定されている為です。

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