血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。
血液製剤について
私たちのからだを流れている「血液」は、体重の約8%を占めています。 通常、日本人成人の血液量は、性別の違いなどによる個人差はあるものの、平均的には体重1kgにつき約80mLあると言われています(体重60kgの人の場合ですと、5L弱の血液が流れている計算になります)。 「血液」は、赤血球、白血球、血小板の細胞成分(血球ともいう)と、血漿(プラズマ)と呼ばれる液体部分から成り立っており、血液全体のおよそ45%が細胞成分で、残り55%程度が血漿成分です。
赤血球は、細胞成分のうちで圧倒的に多い(約96%を占める)血球成分です。その数は血液1μL中、男子で約500万個、女子で約450万個あり、そこに含まれるヘモグロビンが、からだの各組織に酸素を送り届けるとともに、各組織でできた炭酸ガスを肺に持ち帰る働きをします。貧血は、主にこのヘモグロビンが減少するために起こる病気です。
白血球は、血液1μL中、4,000~9,000個程度あり、体内に侵入してきた細菌、ウイルス、有害物などを取り込んで食べてしまい(貪食作用という)、私たちのからだを病気から守ってくれる重要な働きをしています。
血小板は、血液1μL中およそ15万~40万個あります。血小板の大事な役割は、出血を抑える作用(止血)です。
血漿は、各種タンパク質、ブドウ糖、脂質、金属イオン、電解質、ホルモン、ビタミンなどを含んでいる液体です。その中で特に重要なものは、アルブミン(アルブミンは血液の浸透圧維持やいろいろな物質の運搬に大きな役割を果たします。)、免疫グロブリン(免疫グロブリンは病原体などに抵抗して私たちのからだを守ります。)、多種の血液凝固因子(血液凝固因子は出血を止める重要なタンパク質です。)などのタンパク質です。