血漿分画製剤のいろいろ

血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。

血漿分画製剤のいろいろ

アルブミン製剤

アルブミンについて

アルブミンは、約600個のアミノ酸からできた分子量約66,000の比較的小さなタンパク質です。そして、アルブミンは血漿タンパクのうち約60%を占めており、100種類以上あるといわれる血漿タンパクの中で最も量が多いタンパク質です。そのため、アルブミンは血漿タンパクの中で、血管内に水を保持する働きが最大です。このことにより、私たちの血管中の血液量や体内での水分の量を調整する重要な働き (血液の浸透圧の維持)をしています。血液中のアルブミンが低下すると、血管内の血液の量が少なくなったり、血管外(お腹や肺など)に水が溜まったりします。また、アルブミンは脂肪酸やホルモン、薬物など様々な物質と結合して、必要な部位にこれらを運搬する働き(各種物質との結合と運搬)もしています。アルブミンの役割については次の「アルブミンの働き」で詳しく述べます。

浸透圧:半透膜の両側の溶液の間で生ずる圧力

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【アルブミンの割合】

アルブミンの割合

血漿成分は90%が水、8%が血漿タンパク、残り2%がイオン、ブドウ糖、ホルモンなどで占められています。血漿タンパクの中でアルブミンは約60%を占めており、最も量の多いタンパク質です。

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アルブミンは、成人の場合アミノ酸を原料として肝臓で一日に6g~12g作られ、血液中に入ります。またアルブミンは、体重1kgあたり4~5gが体内に貯蔵されています。体重60kgの成人では、240~300gのアルブミンが存在することになります。その約40%が血管内に、残り60%が血管外(細胞や組織間液中)に分布しています。そして、血管内と血管外のアルブミンは相互に交換しながらバランスを保っており、私たちの血漿中のアルブミン濃度は通常4.4~5%に保たれています。14~18日間(半減期)体内で働いた後、アルブミンの多くは筋肉や皮膚において分解されます。

【私たちの体の中でのアルブミン】

要素の凡例 アルブミンの一生

<富山大学診療教授 安村 敏先生(2020年3月監修)>

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