血液製剤について

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門脈血栓症

門脈血栓症

門脈血栓症の概要

肝臓は、おなかの上部にある、スポンジのように血液をたくさん含んだ臓器です。

肝臓には、体にとって必要なものを作ったり、不必要なものを分解するなど、重要な働きが数多くあります。

この肝臓に、消化管からの血液を送り込んでいる血管が「門脈」です。

消化管で吸収された栄養は、この門脈を通って肝臓に運ばれ、いろいろなことに利用されています。

門脈の中に血のかたまり(血栓)ができて、肝臓への血液の流れが悪くなった状態のことを「門脈血栓症」といいます。

門脈血栓症の原因

門脈の血栓は「血液の成分の異常」、「血液の流れの異常」、「血管壁の異常」などで生じます。こうした状態に陥りやすい病気には様々なものがありますが、とくに「肝硬変」や「特発性門脈圧亢進症」などでは、門脈の血流が低下して血栓ができやすいとされています。また、「脾臓摘出」の手術を受けた後も門脈血栓症を合併する頻度が高くなっています。

門脈血栓症の症状

門脈血栓症では、「発熱」、「腹痛」、「お腹が張る」などの症状が見られることがあります。

一方で、上に挙げたような自覚症状がなく、腹部の画像診断(腹部エコー検査、CTなど)を受けたときに、偶然、門脈血栓が見つかる場合も少なくありません。

門脈血栓症の治療法

門脈血栓症の治療は、薬物療法が中心になります。

背景にある病気や血栓の範囲、血栓の見つかるタイミングなどが人によって様々なので、経過に応じて複数の治療法を組み合わせたりしながら、慎重に治療を進めていきます。

①抗凝固療法(アンチトロンビン製剤を含む)

血液が血管内で固まるのをおさえる薬を使って、血栓ができるのを予防したり、進行を遅らせたりする治療法です。

②血栓溶解療法

血栓を溶かす薬を使ってつまっていた血栓を再び開通させる治療法です。

③その他の治療法

病態によっては、内視鏡手術などで血栓を取り除いたり、専用のカテーテルと薬剤を使って血栓を溶かすこともあります。

門脈血栓症の予後

門脈の血流が低下していき、門脈に大きな圧力がかかるようになります。その結果、血液が門脈以外の静脈に流れ込み、食道や胃内の静脈がこぶのように太くなり(静脈瘤形成)、それが破裂して食道や胃から出血することがあります。

こうしたことから、門脈血栓症が疑われる場合には、早期の診断と治療が重要だといえます。

<福島県立医科大学消化器内視鏡先端医療支援講座教授 小原 勝敏先生 監修>

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