血液製剤について

血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。

勉強会  <平成17年4月19日開催>
演者:財団法人 化学及血清療法研究所 理事 宮本 誠二

第1回 血漿分画製剤について

5.血漿分画製剤の特徴と主な効能・効果と役割

○血漿分画製剤の特徴

● 貴重な血液の有効利用
必要とされる成分を分離精製することで、限られた血液を多くの患者さんに役立てる。
● 必要な成分の精製・濃縮投与
不要な成分を投与することがなく、患者さんの生理的負担を軽減する。
● 長期保存が可能
緊急時の対応が可能。
● 安全性への対応
ウイルスの除去・不活化工程の導入。

○血漿分画製剤(主な効能・効果)

アルブミン製剤

アルブミン喪失 (熱傷、ネフローゼ症候群等)

アルブミン合成低下による低アルブミン血症

出血性ショック

免疫グロブリン

(筋注用)麻疹、ポリオ、A型肝炎の予防と症状軽減

(静注用)低または無ガンマグロブリン血症、重症感染症、ITP、

川崎病、CIDP、GBS

(抗HBs)B型肝炎の発症予防(釘刺し事故、母子間)

(抗破傷風)破傷風の発症予防、発症後の症状改善

(抗D(Rho))分娩後の抗D(Rho)抗体産生の防止

凝固因子製剤

(第VIII因子)血友病A患者の出血傾向の抑制

(第IX因子)血友病B患者の出血傾向の抑制

(インヒビター製剤)FVIII、IXインヒビター患者の出血傾向の抑制

(第XIII因子)FXIII欠乏による出血傾向の抑制

(フィブリノゲン)低フィブリノゲン血症による出血傾向の抑制

その他

(生体組織接着剤)組織の接着・閉鎖

(アンチトロンビンIII)先天的ATIII欠乏、DIC

(ハプトグロビン)溶血反応に伴うヘモグロビン血症

(トロンビン)通常の結紮で止血困難な出血の抑制

(活性化プロテインC)先天的プロテインC欠乏症

(C1-インアクチベーター)遺伝性血管神経性浮腫の急性発作

医療への貢献

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