血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。
勉強会<平成18年2月15日開催>
演者:特定非営利活動法人 日本川崎病研究センター 理事長 医学博士 川崎 富作 先生
全国調査を行って、最も驚いたのは" 突然死例" が10例含まれていたことです。というのは、最初の「診断の手引き」には、「川崎病は後遺症を残さず」と、予後が良好な病気であるとしていたからです。
早速、死亡例を経験された先生方に集まっていただき、死亡例を詳しく説明していただきました。
死亡例はほとんど2歳以下の乳幼児で、心臓の冠状動脈に大きな瘤ができていました。そこに血の固まりができて、血が流れなくなって死亡していたことがわかりました(写真)。
そこで「診断の手引き」を「ときに突然死することがある」と改めました。
その後、突然死だけでなく川崎病にかかった患者さんの約20%に冠状動脈瘤が残ることがわかりました。
冠状動脈瘤は大きさによって予後が異なります。大きい瘤(巨大瘤)は冠状動脈の直径が8mm以上、中瘤は4~8mm、小瘤は4mm以下となっています。
なかでも、巨大瘤は血の固まりができたり、血管が狭くなったりする可能性が高く、予後は不良です。巨大瘤ができた場合は、生涯にわたって専門医による治療や管理が必要になります。
川崎病の冠状動脈瘤は胸部レントゲン検査や心電図検査ではみつけることができません。
代表的な方法に冠状動脈造影法(写真)がありますが、危険を伴う検査のため、一部の設備の整った、心臓病専門医のいる病院でしか実施できません。 一方、超音波断層心エコー検査(心エコー検査、写真)が、1980年頃から冠状動脈瘤の検査に普及するようになりました。 心エコー検査は、患者に傷をつけず、手技が簡単です。冠状動脈瘤を早くからみつけて、対処できるようになり、川崎病の治療向上に大きく貢献をしたといえます。