血液製剤について

血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。

勉強会  <平成17年9月13日開催>
演者:社団法人日本血液製剤協会 前理事医学博士 森勢 裕

第2回 血漿分画製剤の安全対策

4.製造方法とウイルス除去・不活化法

○血漿分画製剤の製造方法とは?

Cohnのエタノール分画と血漿蛋白質の精製の1例

cohnのエタノール分画と血漿蛋白質の精製の1例

○製造工程におけるウイルス不活化・除去について

1. 加熱処理
加熱することにより、ウイルスを不活化する方法です。
(1) 60℃、10時間液状加熱処理
(2) 65℃、96時間乾燥加熱処理等
2. SD処理(有機溶媒/界面活性剤処理)
ウイルスのエンベロープ(脂質膜)を有機溶媒/界面活性剤で破壊して不活化させる方法です。エンベロープ(脂質膜)があるウイルスの不活化に有用です。
3. ウイルス除去膜処理
平均孔径15nm、19nm又は35nmの多層構造のセルロース膜で、ウイルス等をろ過・除去する方法です。
4. Cohnの低温エタノール分画法
エタノール濃度(8%~40%)等を調整することにより、上清と沈殿に分ける工程を繰り返し、免疫グロブリン(IgG)、アルブミンを精製する方法ですが、同時にウイルスを不活化・除去します。
5. ポリエチレングリコール(PEG)処理
PEGはその濃度を上げていくと、分子量の大きいもの(蛋白)から徐々に沈殿させる性質があり、ウイルス等は沈殿・除去されます。
6. イオン交換体処理、アフィニティークロマトグラフィー
イオン交換体、アフィニティークロマトグラフィーを通すと、イオン強度又は親和性により、ウイルスによっては吸着・除去されます。
7. スルホ化
スルホ化によりウイルスは不活化されます。

○血漿分画製剤のウイルス除去膜の原理とは?

血漿分画製剤のウィルス除去膜の原理

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