勉強会 一般社団法人日本血液製剤協会

血液製剤について

血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。

勉強会<平成18年2月15日開催>
演者:特定非営利活動法人 日本川崎病研究センター 理事長 医学博士 川崎 富作 先生

第3回 血漿分画製剤の有用性

4.川崎病の治療

性別患者数と致死率

川崎病は残念ながら原因が不明のため、原因療法はありません。

しかし、治療面での進歩は急速に進んでいます。最初の頃は、川崎病患者100人に1~2人の致命率でしたが、最近では2,000人に1名程度にまで低下しています(黄色の折れ線グラフ)。

特に、エコー検査によって患者さんの管理が進歩したことと、免疫グロブリンによる治療がはじまったことが大きな要因です。

川崎病急性期治療のエピデンス

川崎病の治療は大きく、熱や症状のある急性期の治療と、後遺症である冠状動脈瘤に対する遠隔期の治療に分けられます。

急性期の治療に使われる免疫グロブリン療法には色々な使い方がありますが、最も冠状動脈瘤の予防効果が大きいのが、体重あたり2gの免疫グロブリンを1回で投与する方法です。

冠状動脈瘤の後遺症は、最初の頃の20~25%から3~5%にまで低下しました(図)。現在では、川崎病の急性期の治療では世界のスタンダードになっています。

年齢別致死率

川崎病では1歳未満、つまり乳児の致命率が非常に高かったのですが、免疫グロブリン療法が普及するにつれて、致命率が著しく低下しました(グラフ)。その中でも特に3~5ヵ月の乳児の致命率が大きく低下して、突然死の心配も極めてまれになっていることは喜ばしいことです。

しかし、免疫グロブリン療法を行っても熱がさがらない、治療に抵抗性のある患者さんが10~15%存在します。そのような患者さんでは冠状動脈瘤をつくる可能性が高いため、現在でも大きな問題となっています。

このような場合、もう一度、免疫グロブリンを投与したり、ステロイドを投与したりします。米国では新たに抗TNFα抗体による治療が試みられていますが、これはまだ定着していません。

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