用語集

血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。

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カ行

加熱処理

血漿分画製剤の加熱処理は、食品の殺菌法として行われる68℃、約30分間の液状低温殺菌法(パスツリゼーション)がモデルになっています。血漿分画製剤でのウイルス不活化法は、まず、60℃、10時間の液状加熱処理が1948年頃から熱に安定なアルブミン製剤について検討され、実用化されました。この処理により肝炎の感染を防止できることが実験的に示され、また臨床経験から、加熱処理されたアルブミン製剤が血清肝炎を伝播しないことが示されています。

一方第Ⅷ因子、第Ⅸ因子製剤は、熱に対する安定性が非常に悪く、液状での加熱処理は不可能と考えられていました。1980年代の初めになり、第Ⅷ因子に安定剤として大量の糖を加えると60℃、10時間液状加熱できることがわかりました。しかし、この方法は大量生産に向いておらず、収率が半分に落ちる欠点がありました。そこで、その凍結乾燥された第Ⅷ因子製剤をそのまま加熱処理することが検討され、60℃以上、72時間以上の乾燥加熱処理をすることで、ほとんどのウイルスの不活化が可能となりました。

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