血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。
血漿分画製剤のいろいろ
免疫グロブリン製剤は、以下のような安全対策が施されています。
採血の際は、医師等による問診が実施されます。その後原料となる血漿について、ウイルス等の感染症関連の検査を行います。検査で合格した血漿だけが原料として製造に使われます。
製剤によって、様々なウイルス安全対策がとられています。具体的には、次のようなウイルス不活化・除去工程の選択や組み合わせが行われています。
免疫グロブリン製剤は、エタノールを用いて分離精製されますが、その工程でもウイルスが不活化・除去されることが確認されています。
60℃10時間の液状加熱処理を行い、熱によりウイルスを不活化する方法です。
多くのウイルスは、エンベロープという脂質の膜で包まれています。S/D処理は、界面活性剤でエンベロープ膜を破壊し、ウイルスを不活化する方法です。
ウイルスを目の細かい膜により取り除く方法です。ウイルスの大きさは約20~300nmの範囲です。免疫グロブリン製剤では19nmのウイルス除去膜を導入した製剤があります。
免疫グロブリンGを低pH条件の下、一定温度で一定時間保管します。IgGの凝集体を解離または作らないようにする方法です。この工程ではウイルスを不活化することもできます。
免疫グロブリンG凝集体による補体の異常活性化を抑制するため、スルホ化という処理を加えます。この工程でウイルスも不活化されます。
PEG(ポリエチレングリコール)という物質で、免疫グロブリンGの凝集体を含む大きな分子を取り除く方法です。この工程でウイルスも取り除くことができます。
以上のように、原材料となる人血液を採取する際には、問診、感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程における一定の不活化・除去処理などを実施し、感染症に対する安全対策を講じています。しかし、人血液を原材料としていることを原因とするウイルスなどの感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、病気の治療上の必要性を十分に検討した上、必要最小限の使用にとどめること、とされています。
重大な副作用としては、ショック、アナフィラキシー様症状、肝機能障害、黄疸、無菌性髄膜炎、急性腎不全、血小板減少、肺水腫が報告されています。この他にも悪心、嘔気、皮疹、悪寒、発熱、頭痛等の報告があります。
<大阪府立成人病センター顧問 正岡 徹先生(2008年5月監修)>