血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。
関連疾患
川崎病は1967年、川崎富作医師によって発見された全身の血管に炎症が起こる原因不明の病気です。川崎病は、主に4歳以下の小さい子どもに起こる病気で、急な発熱で始まることが多く、川崎病の主要症状が4~5日のうちに現れてきます。多くの場合、入院治療により、10日~3週間ほどで退院できます。しかし、なかには心臓の筋肉に栄養や酸素を送る冠動脈という血管に「冠動脈瘤」とよばれる後遺症を残すことがあり(3~5%)、まれに死亡する例もあります(0.01%以下)。
川崎病の原因はいまだ不明で、かつ冠動脈瘤などの後遺症に対しては血栓閉塞を予防する抗凝固療法が必要であり、又、血栓閉塞した時は、外科的療法が必要となるため、この冠動脈の障害を残さないことを目的とした急性期の治療が最も重要であると考えられています。冠動脈に強い炎症が起こると障害を残すことがあるため、発症から10日以内の治療開始が重要となります。多くの場合に、冠動脈瘤の発生を抑える免疫グロブリン製剤の大量投与と、血栓や炎症を抑えるアスピリンとの併用が行われます。川崎病に免疫グロブリン大量療法が実施されるようになって、冠動脈瘤の発生率が著明に低下しました。通常、体重1kgあたり2,000mg(40mL)の免疫グロブリン製剤を、1日、点滴静注します。この治療で85~90%の患者さんは解熱します。しかし、解熱しない残りの患者さんにはもう一度免疫グロブリン2,000mg(40mL)を投与します。更にそれでも解熱しない時は、メチールプレドニゾロンのパルス静脈注射療法を行います。それでも解熱しない場合をどう治療するかが、これから残された問題です。
(詳細は、「第3回勉強会」参照)
<日本川崎病研究センター理事長 川崎 富作先生(2008年5月監修)>