血漿分画製剤のいろいろ

血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。

血漿分画製剤のいろいろ

血友病製剤

血友病製剤投与量計算方法

【投与量の計算法】

2.血友病B患者さんの投与量の計算法

第Ⅸ因子製剤の規格

第Ⅸ因子の必要投与量は次のように計算されます。

必要投与量(単位)=体重(kg)×目標ピークレベル(%)×[1~1.4]*
*血漿由来製剤の場合は約1、遺伝子組換え第Ⅸ因子製剤の場合には1~1.4となるが、特に第Ⅸ因子の場合は上昇率の個人差が大きいので、個々に回収率から係数を求め、確認することが望ましい。

具体例1(子供):
例えば、体重20kgで関節内出血に対応する場合、ガイドラインに従い20~40%の範囲で目標ピークレベルを決めます。仮に20%に目標ピークレベルを決め、係数を1.2とした場合、必要投与量は次のようになります。
必要投与量(単位)=20kg×20%×1.2=480単位

実際には、この単位数と同じか多めの単位数で、使用する瓶の数が最も少なくなるように製剤を投与します(瓶はいったん開封し溶解したら、すぐに全部を使い切ります)。

例えば、手持ちの製剤が500単位製剤だった場合、必要投与量が480単位であれば、計算値より多めの500単位製剤1本の500単位を投与してください。

具体例2(成人):
例えば、体重60kgで関節内出血に対応する場合、ガイドラインに従い20~40%の範囲で目標ピークレベルを決めます。仮に目標ピークレベルを20%に決め、係数を1とした場合、必要投与量は次のようになります。
必要投与量(単位)=60kg×20%×1=1200単位

実際には、この単位数と同じか多めの単位数で、使用する瓶の数が最も少なくなるように製剤を投与します(瓶はいったん開封し溶解したら、すぐに全部を使い切ります)。

例えば、手持ちの製剤が500単位製剤、1000単位製剤だった場合、必要投与量が1200単位であれば、計算値より多めの500単位製剤1本、1000単位製剤1本の合計1500単位を投与してください。

第Ⅸ因子製剤の投与量一覧 急性出血時の補充療法

出典:インヒビターのない血友病患者に対する止血治療ガイドライン2013年改訂版より(B、Ⅲ)、(C、Ⅳ)は勧告のグレードとエビデンスレベルを示しています。

*詳細につきましては日本血栓止血学会のホームページを参照ください。

http://www.jsth.org/


在宅療法(自己注射)

オンデマンド療法、予備的補充療法、定期補充療法、いずれの方法で第Ⅷ因子製剤または第Ⅸ因子製剤を投与するにしても通院して第Ⅷ因子製剤または第Ⅸ因子製剤の投与を受けるのは、学業や仕事に影響を与えます。こうした影響を軽減する目的で、1983年に患者さん自身あるいは家族の方が、家庭で第Ⅷ因子製剤または第Ⅸ因子製剤を投与すること(在宅療法)が公的に認められました。在宅療法を始めるにあたっては医療機関で知識と注射手技の指導を受ける必要があります。下図は注射に必要なものの例です。

自己注射に必要なものの例

<新潟県立加茂病院名誉院長 高橋 芳右先生(2016年6月監修)>

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