血漿分画製剤のいろいろ

血液製剤・血漿分画製剤・血液製剤が必要となる病気の種類などを学ぶことができます。

血漿分画製剤のいろいろ

血友病製剤

血友病製剤投与量計算方法

【投与量の計算法】

4.フォン・ヴィレブランド病患者さんの投与量の計算法

フォン・ヴィレブランド因子含有第Ⅷ因子製剤の規格

フォン・ヴィレブランド因子(VWF)の必要投与量は次のように計算されます。

必要投与量(単位)=体重(kg)×目標投与量(第Ⅷ因子単位/kg)

抜歯の場合、20~30単位/kgを投与します。

具体例1(子供):
例えば、体重20kgで抜歯に対応する時、仮に20単位/kgを投与すると決めた場合、必要投与量は次のようになります。
必要投与量(単位)=20kg×20単位/kg=400単位

実際には、この単位数と同じか多めの単位数で、使用する瓶の数が最も少なくなるように製剤を投与します(瓶はいったん開封し溶解したら、すぐに全部を使い切ります)。

例えば、手持ちの製剤が250単位製剤、500単位製剤のものだった場合、計算値より多めの500単位製剤1本、500単位を投与してください。

具体例2(成人):
例えば、体重60kgで抜歯に対応する時、仮に20単位/kgを投与すると決めた場合、必要投与量は次のようになります。
必要投与量(単位)=60kg×20単位/kg=1200単位

実際には、この単位数と同じか多めの単位数で、使用する瓶の数が最も少なくなるように製剤を投与します(瓶はいったん開封したらすぐに全部を使い切ります)。

例えば、手持ちの製剤が250単位製剤、500単位製剤、1000単位製剤のものだった場合、計算値より多めの250単位製剤1本、1000単位製剤1本の合計1250単位を投与してください。

注:出血の種類とその止血のための投与量の基準は、(一社)日本血液製剤協会の冊子「血友病とフォン・ヴィレブランド病の治療」にも記載されています。

VWFを含む第Ⅷ因子製剤の投与量一覧 各種出血状況でのVWFを含む第Ⅷ因子製剤の投与量
在宅療法(自己注射)

オンデマンド療法、予備的補充療法、定期補充療法、いずれの方法で第Ⅷ因子製剤または第Ⅸ因子製剤を投与するにしても通院して第Ⅷ因子製剤または第Ⅸ因子製剤の投与を受けるのは、学業や仕事に影響を与えます。こうした影響を軽減する目的で、1983年に患者さん自身あるいは家族の方が、家庭で第Ⅷ因子製剤または第Ⅸ因子製剤を投与すること(在宅療法)が公的に認められました。在宅療法を始めるにあたっては医療機関で知識と注射手技の指導を受ける必要があります。下図は注射に必要なものの例です。

自己注射に必要なものの例

<新潟県立加茂病院名誉院長 高橋 芳右先生(2016年6月監修)>

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